まっすぐにB1へ。<後半>(熊本ヴォルターズインタビュー)
8月に小豆島キャンプに訪れていた熊本ヴォルターズの西井GM(ゼネラルマネージャー)、保田HC(ヘッドコーチ)、岐津AGM(アシスタントゼネラルマネージャー)にスポーティーズ渡部がお話を伺いました。
後半をお届けします!
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今シーズンの目標「B1昇格」についてのイメージやここに至るまでの想い、B1昇格を見据えてのチーム編成についてなどをお聞きした前半はこちら!!
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GMがあらゆる面からチームを見てくれている
保田HC:僕がこのチームでヘッドコーチをしていたい理由のひとつが、毎日練習を見に来ているGMなんて、他にいない!っていうところなんですよ。結果だけじゃなく、そこに至る経緯も練習から全部見てくれているんです。
西井GMとは練習についても、試合についてもお互い話し合っています。練習方法について敢えて言わずにいてくれるのも僕はやりやすいですし、オフコートの部分で選手に何かあったり気になることがある際には西井GM、岐津AGMが対応してくれて、僕がバスケットの指導に100%集中できる環境を整えてくれています。
渡部:西井GMは練習を見ていて、「こうしたらいいのになぁ」という思いが出てきたりしないのでしょうか?
西井GM:僕はプロでの経験があるわけではないので、言わば素人みたいなものだし、練習を任すなら僕は口を出すべきじゃないと考えています。
渡部:いい意味で責任の所在というか、それぞれのステージがあるんですね。
岐津AGM:うちはフロント・チーム・経営を良い意味で分業できているので運営は上手くうまくいっていると思います。
西井GM:感覚がずれないようにちょっとしたことでも3人で話すようにしています。バスケットのことや、「あの選手、今日こうだったよね」ということを擦り合わせしています。
▲灼熱のビーチトレーニングにも西井GMをはじめ、スタッフ全員同行していました
保田HC:西井GMは練習前のミーティングに来て、練習を見て、試合を見て、僕が試合後に書いたレポートも見てくれていて、僕らチームがどうゆうことをやろうとしているのか理解してくれています。理解の深さ、というところが段違いなので、信頼関係もあるし、会社にいいフィードバックができているのではないかと思います。
西井GM:日々の擦り合わせができているので、チーム編成時に意見がずれることもそんなにありません。
失敗があったから、大切にしていることがある
渡部:昨シーズン、チームが良くない時期もあったかと思うんですが、そういった時のこの3人はどのような雰囲気になるのでしょうか。
岐津AGM:いつも通りですね。結果が伴わなかっただけで、やってることは正しいと思っています。次の試合に向けてひとつずつ修正していって、最後のプレーオフ前でほぼ完成したっていうのが昨シーズンの状態です。
保田HC:勝つべきところは勝っていましたしね。負けたときの原因も明確にわかっていたので、そこは潰していけばいいなと。
西井GM:昨シーズン序盤はうまくいかなかったけど、僕たち3人はまだまだ盛り返せると思っていましたね。負けたときほど次の試合にどうアプローチするのか、というところを大切にしていました。負けたときほど選手一人ひとりと話していろんな選手の思いを汲み取ってコーチ陣に共有しています。
保田HC:そこは僕も気にしていて、人の感情を汲み取るのが得意なスタッフに聞いてもらっていますね。選手たちがどこにやりにくさを感じているのか、何で負けたと思っているのかを選手主体で聞いてもらって、把握するよう努めています。
西井GM:負けた原因が何なのか、というところを同じ方向に向かわせる作業が一番大事だと思っていて、細かくやっていると思います。そこらへんが僕らの強みでもあります。負けたときって人のせいにしがちなんですよね。そうやってチームがバラバラになって、もう元には戻れなくなる、というNBL時代の経験があるからこそ、負けた理由に向き合うことを大切にしています。そこは毎試合、一年を通して保田が丁寧にやってくれています。
岐津AGM:チームができた1年目にバラバラになったのを経験しているからこそ、今コミュニケーションを大切にできているんだと思います。
西井GM:チーム全体で会話が多いと思いますが、なにより選手ともスタッフとも信頼関係があると思っています。
渡部:今日の大学との練習試合を拝見しましたが、8月上旬のこのタイミングでコート内のコミュニケーションについてや、セットプレーの話も出ていましたよね。完成度に対するスピード感がすごいなと思ってるんですが、今のところ予想通りの仕上がりでしょうか。
岐津AGM:スケジュールに対する完成度は良いですね。目標とする完成度はもっと高いところにあります。
保田HC:このタイミングでいうと、想定以上の仕上がりだと思っています。スケジュールに対してやるべきところまで、選手はそれ以上のことをやってくれていると感じています。にも関わらず、選手からは「俺たちはもっとできる」という覇気を感じていて、今度に益々期待が高まっています。
西井GM:僕もそう思っています。窪田SCが加入してハードなトレーニングも始まりましたが、心配していた怪我も無く、皆意識高くやってくれています。
渡部:キャンプの様子を拝見していて、チームのメンバーが合流して約1ヶ月でこの仕上がりということにかなり驚いています。圧倒的に勝ちに行くから、このイメージでいるんですよね?
保田HC:そんなにむちゃくちゃなスピードではないんですよ。セットプレーもまだ2個しか持ってなくて、これを2週間やっているので普通だと思っています。
ちなみに、もしこの2つのセットプレーが現時点でうまくできない、つまり知ってるけどできてない原因はコミュニケーションだと思っています。例えば今日の練習試合でも最後古野 を入れたのは声を出すポイントガードがいなかったからで、彼がコートで喋ってくれて、最後うまく締めてくれました。
▲古野選手
多くの人に支えられ、それを返せるチームでいたい
渡部:明日、小豆島キャンプも最終日ですが、最後どんな感じで終わりたいですか?
保田HC:この小豆島キャンプではじめたことも、今日の練習試合で修正したいところも明日やりきって帰るつもりで日程を組んでいます。今までやってきた課題をしっかりクリアにして次のステップをまた来週からやっていけるような終わり方をしたいです。
渡部:今後なんですが、個人的に「強くなるために小豆島にキャンプに行く」という場でありたいなと思っていて。集中して練習できる環境を整えたいです。
西井GM:強くなるためのキャンプなのかもしれないんですが、僕らはやっぱり多くの人に支えられているチームでありたいし、それを返せるチームでありたいと考えています。
もっと多くの小豆島の人に見てもらいたいし、応援して欲しいし、それが僕たちの力、励みになります。もっと多くの人に見に来てもらえるんじゃないかと思うので、次回やるなら土日を挟みたいですね。やっぱり応援してくれる人がいて、応援してくれる声が聞こえてきて...その応援に応えたいと思うのがプロとしてあるべき姿だと思いますし、そういう意味で練習のモチベーションも上がります。小豆島キャンプも3年目で4回目、「第2のホーム」と呼べるこのご縁が嬉しいですし、せっかくなので是非小豆島の人たちにもっと見てもらいたいです。
▲キャンプ最終日のお見送りでは、小豆島の子供から大人、島外からもファンが集まりました。
渡部:ぜひまた来年、小豆島キャンプに来てください!「第2のホーム」としてお待ちしております。試合にも応援に行きますね。今日はありがとうございました!
▲キャンプ中のタイトなスケジュールの中、ありがとうございました!
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選手が戦う、その瞬間までにはたくさんの想いと、行動と、準備がありました。選手がより良いコンディションとステージで戦えるように、チームが目標を達成するように、ファンが楽しめるように。この3人がいるからこそ熊本ヴォルターズは強くて、愛されるのだと感じました。
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熊本ヴォルターズ 公式HP
B.LEAGUE EARLY CUP 2018 西日本
●日程 2018年9月7日(金)~9日(日)
●会場 松江市総合体育館
●出場クラブ
熊本ヴォルターズ/島根スサノオマジック/広島ドラゴンフライズ
香川ファイブアローズ/愛媛オレンジバイキングス/ライジングゼファーフクオカ
(文:小林繭子)
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