行ってきました、FC今治。
皿田(さらだ)です。
はじめましてのコラムでこれからバスケに関することを・・・と言っておきつつ、いきなりサッカーの話でスタートしますが気にしないでください(笑)。
では、早速。
6月2日に岡ちゃんこと、サッカー日本代表元監督、岡田武史氏が小豆島に来てくれました。
「サッカーを見てる人は1割くらい。サッカーをよく知らない人も、試合を見なくても、<なんかよくわからないけど楽しかった!>と言える環境をつくろうってことで広い駐車場をフェンスで囲い、そこに屋台、ステージ、子供の遊び場をつくった。サッカーの試合を見せるだけではダメだと思った。」
「サッカーを見ていただくだけではなく、いろいろなワクワクがあり、人と人の繋がりができる<フットボールパーク>にしたい。」
「自分はどういう社会を残していくのかを考えた時に心の豊かさというものを考えた。心の豊かさとは、感動、信頼、そういった目に見えない資本のことで、それがお金に変わっていく社会にならないと行き詰る。」
・・・等々、そんな話を聴かせていただき、ほー、そんなら一度FC今治の試合を観に、というか大袈裟な表現かもしれませんが、岡ちゃんが後世に残したい「景色」を観てみたいなーと思って、早速今治まで行ってきました。
13:00キックオフだったんですが、「試合以外」も楽しむために11:30頃会場到着。
スタジアムは2017年9月こけら落としの「ありがとうサービス.夢スタジアム」。通称「夢スタ」。スタジアム内についてはややこしい動線なんかは一切なく、非常にわかりやすかったです。
今治は古くは村上水軍が活躍した土地でもあり、なのでクラブは「水軍の抹消が世界に向かって大海原に打って出る」というコンセプトで、スタジアムは海に出ていく「海賊船」なのだそう。
広大な空き地駐車場に車を停めると道を挟んですぐ隣がもうスタジアム。
写真奥側が駐車場です。
まずはチケット売り場にて「サッカー初めて観るんですがどこが良いですかね?」と聞くと
「それだったらゴール裏よりはメインスタンドが良いんじゃないですか?」とのことで、
メインスタンドのエリア指定席ってやつを購入。
大人1800円(前売り1500円)。中学生以下1000円(前売り800円)。
チケット販売、グッズ販売、場内整理なんかは全てボランティアスタッフにて運営されてるそうです。いたるところで「こんにちは!」と気持ちよい挨拶してくれました。60歳以上の方もいるのだとか。それって何か良くないですか!
「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」
というのがFC今治の理念だそうですが、このボランティアスタッフ組織の活動そのものもその一環で、ホーム戦運営を通じて、心の豊かさを自分自身が感じてそれをより多くの人に届けられる、そんな体験ができることを目指しているのだとか。
いちいちすばらしい!
入場ゲートをくぐると、テントだらけで自然と笑みがこぼれるような景色。
まさに、「よくわからないけど楽しそう」!
次から次へと、いろんなチームが踊ってましたね。
フェイスペイントっていうのかな?シールになっていて無料でやってくれます。
キックオフ1時間30分前なのにたくさんの人がお祭りのように楽しんでいました。小豆島で言えば、8月15日の小豆島祭で、花火上がるの待ってる感じかな。
屋台はごはんものから、つまみ、デザートまでと、選ぶのに迷うほどいろんなものがありましたよ。ビールは400円、良心的!オフィシャルグッズ販売もあり、タオルやレプリカユニフォームを身につけてる人がたくさんいました。
試合前のメインスタンドから。バックスタンドを設置しないスタジアムなので、スコーンっと街並みが一望できる感じで、なんか気持ちいい!そして本当にすぐそこ、目の前で見れる距離感。
ホーム応援団側から見たメインスタンド。試合中はいっぱいにうまってました。このスタジアム完成後はJFLの中ではホームゲームの集客数は圧倒的みたいです。
試合に関して言えば、サッカーは日本代表戦をテレビで観るのみの素人ですし、なんでしょう、バスケは得点シーンがたくさんあったり自分も多少はプレーするので見るとこが小刻みにたくさんあるんですが、サッカーはなかなかそんな感じでもないので特に感想もないんです。
実際、陽射しがきつく、汗もけっこう出てまして、あーこれは調子に乗って盛り上がって観てるかみさんがそのうち具合悪いって言い出すなーって判断で今回は前半で帰りました。。。
だけど、
「い ま ば り れ ぼ りゅ~ しょ~ ん~」という応援のフレーズだけは妙に耳に残ってたり、鎧を着て「村上海賊!」の旗を持ってた人がいて、おー、海賊が応援してるチームってカッコいいやん!って思ったり、ビール飲んだり、いろんなもん食べたり、芝の色、空の色がきれいだったり、楽しそうなたくさんのお客さんを見てこっちも楽しい気分になったり…
要するに「あ~たのしいなぁ」っていう感覚がたくさんあったんです。
この状況はまさにおかちゃんの言う「サッカー見てるのは1割だからそれ以外の人が<なんか楽しかった!>と言える環境を作る」ってやつにドンピシャだったわけです!(笑)
昨年、たまたまドジャースタジアムで初めてメジャーリーグの試合を観る機会があってその時に感じたのが、スタジアムに来てるのに「野球見てない子供、野球見てない大人が結構いるなー」ってこと。メジャーリーグの試合で1割しか観てないってことはないんだけど、試合は進行してるのに結構多くの人が敷地内で喋ってたり、ビール飲んだり、子供と遊んだりしてる。「試合を観なきゃ!」って感じじゃなくてまず自分たちがその雰囲気を楽しんでいてその風景の中にベースボールがある、みたいな感じで。
夢スタ、なんかそういう雰囲気出てたと思います。
あと個人的にすごく気に入ったのはこの規模感であり、価格感であり、選手との距離感、この気楽さ。ここは小豆島にとってもヒントがあるなーと思いました。FC今治はJリーグ昇格やもっと大きなスタジアムを、といった目標に向かって進んでいるのですが、現時点で言えば全体がものすごくシンプル、低価格、コンパクトな感じでした。
車も今は、コンパクトカーが売れてますよね。シンプル、低価格、コンパクト。かと言って安かろう悪かろうではなく、むしろ走りや装備、内装、安全性能、居住性、どれをとっても向上してたりする。そういうものに対するニーズの高まりってあると思うんですよね。
小豆島はそもそもがいろんな制限がある場所だから、コンパクトにならざるを得ない。でも裏を返せば普通なら規模や地位を追求していく流れの中で無くなっていく、シンプル、低価格、コンパクト的なものが構造的にずっと残っていく。
トップレベルのプレーが見れても、会場が大きすぎて複雑、家からも遠い、行き帰り渋滞する、混雑する、価格が高い、選手との距離も遠い。そんな状況を果たして全ての人が本当に望んでいるのか?昨年のBリーグ小豆島開催は、まさにそんなコンパクトの良さだったんじゃないかな。
帰りにスタジアムの隣のイオンで買い物してたら店員さんが「今日どっち勝ったんですかー?」だって!しっかり地域に根差してますよねー。
島に戻るフェリーではかみさん、やっぱり具合悪くなってます(笑)。
ということで皆様、夏のサッカー観戦は暑さ対策しっかりしてから行きましょう。
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